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自分ではちゃんと笑顔を出せていると思っていたので、それを否定されたときはとてもショックでした。
でも、撮影を続けていくうちにだんだん自然な笑顔を出せるようになっていって、ようやくカメラマンが言っていたのは、「内からにじみ出るような素の私の笑顔」であって、きめ顔やつくり笑顔ではないということに気づいたのです。
今、自分が楽しいからこそ、本当の笑顔を出すことができる。
そのことを教えてくれたカメラマンの方には、本当に感謝しています。
そうして私か毎日を楽しみながら本当の笑顔を出していければ、私のまわりの大切な人たちを、もっともっとハッピーにしていけるのだと思っているのです。
「キレイのカタチ」はどこにある?世間の人のモデルに対するイメージとは、「やせていて、背が高くて、顔がキレイな人」というのが一般的なのではないでしょうか。
それももちろん大切なのかもしれませんが、私は正直なところ「それだけに特化するのがいいのだろうか」と考えています。
もちろん、太っているよりもやせているほうが、見映えはいいでしょう。
また、やせている状態を維持するにはその人なりの努力も必要になりますから、それはそれですばらしいことです。
しかし「美しい」ということは、「こうでなければいけない」という限定されたものではないように思うのです。
けれども今の世の中には、そこのところを間違えてしまっている人が多い気がしてなりません。
だからすぐに、「こうじやないから私は美しくないんじゃないか」「この部分がキレイじゃないからモテないんじゃないか」と考えてしまう。
でもそれは違うと思うのです。
誰でも自分だけの美しさをもっているものであり、ある一定の美しさの法則にこだわる必要はないのです。
背丈、髪形、体型にはじまり、誰にでも自分に合った美しさというものがある。
そして、それぞれの美しさを必要としている人たちがいるのです。
これは、モデルという世界に入ったからこそ、わかったことです。
私自身、はじめは「モデルとは、背が高く、割り箸のようにやせていて、食事をあまりとらないもの」「笑顔よりもクールな美しさがあるもの」と思い込んでいたということもありましたし、全然仕事がないことに落ち込んだこともありました。
仕事をしていて、上司の何気ないひとことに傷ついてしまうようなことは、誰にでもあると思います。
モデルをはじめた頃の私は、それが日常茶飯事。
撮影現場で心ないことを言われたり、オーディションを受けに行っても何回もダメだということが続いて、気持ちが塞ぎがちになってしまうこともありました。
けれども時には「この仕事は無理だろうな」と思っていても、「ぜひYさんにお願いしたい」と言ってもらえることもある。
「これって何だろう?」と考えているうちに、一人の人間に否定されたからといって、自分がすべての人間に否定されたわけではない、「こうあるべきだ」というものはないのだと気づいたのです。
誰かに言われた言葉が耳にこびりついて離れない、ということもあるでしょう。
でもそれは「その人」だけの言葉であって、100人いたとしたら100人全員がその人と同じように思うかというと、そうではないですよね。
だから、一人の人間の意見や見方に左右されたり傷ついたりする必要は、まったくないのです。
私は、モデルにもいろいろなタイプ、いろいろな美しさがあっていいと考えています。
例えば先日、Kの『STORY』というファッション誌で、私は「ふっくらした幸せ感」を表現した洋服の撮影をしました。
この雑誌は読者の目線を重視した紙面づくりがすばらしいなあと毎号感心しているのですが、私にとって、こういう仕事は本当に大歓迎なんです。
ふっくらしていると、どうしても二の腕を気にしたり、胸を隠すために猫背になってしまったりしますよね。
けれども「洋服を選べば、こんなにキレイに見せられる」ということを提案する。
そのままの自分で十分キレイになれるという勇気と希望を与える意味でも、いろいろなタイプのモデルが必要なのだと思います。
私自身の目標としては、これからは自分の内側の部分も含めて、型にはまることなく表現できるモデルになっていきたいと思っています。
例えば、あるときはエレガントさやフェミニンな雰囲気を出せたり、あるときはゴージャスに、また男前な女性を演出したりと、楽しんでいきたい。
そして私を見てくださる方を、いつも新鮮な形で喜ばせたいのです。
雑誌の撮影でもただ服を着るだけでなく、その人が着ると同じ服でもこんなに変わる、こんな表情も出てくるんだ、という「私らしさ」を出せたら最高ですね。
私は今年、40歳になります。
そして、まだまだ叶えていきたい夢がたくさんあります。
一つはモデルとしての活動です。
今の自分で時を止めたいと願うのではなく、年齢を重ねるに従って、その年齢に合った美しさや品格を出せるようになれたらと思っています。
そしてそういう自分を使いたいと言っていただけたら、本当にうれしい。
モデルの仕事は、これからも変わらず続けていきたいと思っています。
もう一つが、セルフボディメイクの活動です。
今は私自身がインストラクターとして生徒さんを教えていますが、ゆくゆくはインストラクターを養成するための学校をつくりたいと考えています。
また、国内に教室を増やすことはもちろん、いつかは海外にも進出したいという夢があります。
それ以外に、今までの私の経験をいろいろな場所でお話しする機会が増えてきているので、それも時間の許す限りやっていきたいと思っています。
先日も、大学生の前で講演をする機会がありました。
そのときは女性ばかりだったのですが、「就職先をどうしたらいいのか」「会社員の生活ではどういうことが起こるのか」といった質問を受け、みなさん本当にいろいろな不安を抱えているのだと感じました。
それに対して、自分の経験が少しでも役に立つことがあればいいなと思いますし、今後は講演だけではなく、機会があればラジオや何かの講座でお話ししたり、執筆活動をしていけたらと思っています。
実はそんな私にも、悲しくて仕方がなかった時期がありました。
忘れもしない24歳の頃です。
当時の私は会社の秘書室にいて、かなり忙しい日々を送っていました。
あるとき電車に乗っていると、目の前におばあさんが座りました。
私はそれを見るだけで悲しくなり、涙が溢れてきてそこから逃げ出してしまったのです。
そのときはなぜそんなことになったのか、自分でもよくわかりませんでした。
そのとき思ったのは、「服だバッグだと言って毎日おしゃれをしていても、結局は自分もこんなふうに歳をとる。
高いお金を出して欲しいものを買って身につけたところで、それが一体何になるの?」ということでした。
今思うと、すべてが虚しくて、悲しかったのだと思います。
時計だって指輪だって、こんなものはお墓にまでは持っていけない。
なのにどうして私はがむしゃらになって働いて、そんなものを次々と買おうとしているんだろう?「あれを買った」「これを買った」なんて騒いで喜んでいるのだろう。
おばあさんを見て、急にそんな思いが浮かんできたのだと思います。
あのときの電車の中の様子やおばあさんのことを、今でも思い出すことがあります。
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